映画やドラマなどで見かける「ピッキング」という鍵開けの手口。シンプルな構造の「南京錠 開け方」としても、ピッキングが可能なのでしょうか。理論上は可能ですが、南京錠の種類や行う側の技術によって、その難易度は大きく異なります。ピッキングとは、鍵穴に特殊な工具（テンションツールやピックなど）を差し込み、鍵穴内部のピンやタンブラーを操作して、鍵を差し込んだ時と同じ状態を作り出し、鍵穴を回転可能にして開錠する手口です。シリンダー錠の基本的な仕組みを理解し、内部のピンの動きを指先の感覚で捉える技術が必要です。一般的な構造のシリンダーが組み込まれた南京錠、例えばピンシリンダー方式の南京錠であれば、理論上はピッキングで開錠が可能です。ピンの数が少ない、あるいはピンの構造が単純な安価な南京錠ほど、ピッキングによる開錠は容易になります。慣れた者であれば、短時間で開けてしまうこともあります。しかし、全ての南京錠がピッキングで簡単に開けられるわけではありません。特に防犯性の高い南京錠は、シリンダーにピッキング対策が施されています。例えば、ピンの数を増やしたり、特殊な形状のピン（きのこ型ピンなど）を採用したり、複雑なディンプルシリンダーを組み込んだりしている南京錠は、ピッキングが非常に困難です。このような南京錠は、ピッキングツールを使っても内部のピンを正確な位置に揃えるのが難しいため、開錠に時間がかかるか、あるいは事実上ピッキングでの開錠は不可能となります。自分で所有しているシンプルな南京錠をピッキングで開ける練習をする人もいるかもしれませんが、鍵穴内部は非常にデリケートな構造をしています。不慣れな操作で無理に工具を動かすと、内部部品を傷つけたり、鍵穴を壊してしまったりする危険性があります。また、他人の南京錠を許可なくピッキングで開けることは、不正解錠にあたり法律に触れる可能性がありますので、絶対にやめましょう。結論として、シンプルな構造の南京錠であればピッキングで開けられる可能性はありますが、それにはある程度の技術と練習が必要です。そして、防犯性の高い南京錠に対しては、ピッキングは現実的な開錠方法とは言えません。もし鍵をなくして開けたい場合は、ピッキングに挑戦するよりも、鍵専門業者に相談する方が安全で確実な方法です。