シリンダー錠は、広く普及している鍵ですが、ピッキングなどの不正解錠のリスクも存在します。ここでは、シリンダー錠の防犯対策、特にピッキング対策について解説します。まず、ピッキングとは、特殊な工具を使って、鍵を使わずにシリンダー錠を解錠する手口です。ピンシリンダー錠やディスクシリンダー錠は、構造が比較的単純であるため、ピッキングの標的になりやすいと言われています。ピッキング対策として最も有効なのは、ピッキングに強いシリンダー錠に交換することです。ディンプルシリンダー錠やロータリーディスクシリンダー錠は、ピンシリンダー錠やディスクシリンダー錠に比べて、ピッキングに強い構造になっています。また、鍵の複製も困難であるため、セキュリティレベルが向上します。さらに、CPマーク（防犯性能の高い建物部品に付けられるマーク）が付いているシリンダー錠を選ぶのも、一つの目安となります。CPマークは、警察庁や国土交通省などが定める防犯性能試験に合格した製品に付けられるマークで、一定の防犯性能が保証されています。シリンダー錠の交換に加えて、補助錠を取り付けることも有効な防犯対策です。補助錠は、既存のシリンダー錠に加えて、もう一つ鍵を取り付けることで、防犯性を高めることができます。補助錠には、様々な種類がありますが、面付けタイプのものや、内締まり錠などがおすすめです。また、ドアの隙間を埋めるためのガードプレートを取り付けることも、こじ開け対策として有効です。ガードプレートは、ドアとドア枠の隙間を覆うことで、バールなどの工具を使ったこじ開けを防ぐことができます。さらに、防犯カメラやセンサーライトを設置することも、防犯効果を高めることができます。これらの防犯対策は、単独で行うよりも、複数を組み合わせることで、より高い効果を発揮します。シリンダー錠の防犯対策は、決して難しいものではありません。適切な対策を講じることで、安心して生活できる環境を整えましょう。